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少年記ラストワンマン「少年、極点へと向かう巡礼の旅、少女と交わした久遠の契り-東京-」②

(続き)

歌い上げるバラードが続いた中盤から、いよいよ後半へとさしかかる。

4人がちょうどステージで、Ⅴ字になるように背中を向けあい、「ガゼルバベル」「YOUR LIES」「LONELINESS PRINCESS」へと『少年記』の楽曲が咲き誇っていく。「ガゼルバベル」でのツインギター、Naoさん、eikiくんそれぞれのギターソロ、「YOUR LIES」でのeikiくんのソロ、コウくんの歌だけでなく、少年記の楽曲は、ベースもギターも歌っている…ときに切ないまでに、あふれる想いを伝えようとして。その歌い上げるメロディーやビートに、コウくんの歌詞が確かな存在感のある“ことば”として乗るのだ。世界を限定するのではなく、世界への壮大な広がりをもって。

一度は君を壊したこの世界を 

もう一度信じられるのなら 

傷さえ、生きている証として 

願って、歩みを止めないで (「ガゼルバベル」)

進むことも 戻ることもできずに 出来ずにただ 泣き崩れて 

それでも髪 撫でられる度に 淡い期待を抱くの (「YOUR LIES」)

あやすように髪撫でられても

あなた、心ここにいないようで...

一人の夜「愛なんてあるのかな...」

私は報われない お姫さま (「LONELYNESS PRINCESS」)

爆発的な「LONELINESS PRINCESS」からは、終盤へ。大阪では1曲めに持ってこられた「BANG ME」が、東京では終盤の口火を切るように、準備される。モッシュやヘドバンやタオルも使って大きな熱気を作り上げる「ライカランナ」そして、本編最後に用意されたのは、代名詞的な「ココロモンスター」。

「最後の曲だ…!!!」

そのコウくんの声とともに、スイッチが入る。

モンスターの爪のような、ちょっとかわいい振付もある曲。手を振ったり、ハートを作ったり、モッシュをしたり、いつものライブではこちらも満面の笑顔になってしまう、楽しくてならない曲…それが、始まったと同時に、本当に、自分の目には、涙があふれてとまらなくなってしまった。

この後のMCで、怜さんが言われたように、歳とか住んでいるところとか、仕事や性別や国籍さえも関係なくて…ただ『少年記』が好きだ!という気持ちだけで、ファンは集まっている。

ただ、『少年記』の楽曲を聴いていたくて、コウくんの唄を聴きたくて、あるいは、一緒に口ずさみたくて、メンバーの演奏する姿を観ていたくて、一緒に呼応して、笑いたくて、一緒にライブを作り、一緒に『少年記』でいたくて…本当に、それがすべてだったのではないかと思う。

「僕」を探して、『ドール』と一緒に旅に出た『少年記』は、今、極点に、最果てに辿りつこうとしている。この曲とともに、極点へ辿りつく。

それを感じると、涙があふれて、あふれて止まらなかった。

ココロモンスター 本当の自分を今 

ココロモンスター 許せたのなら 

昨日までの君を飛び越えて 生まれ変われ 君というモンスター

「その胸に刻め その目に焼きつけろ 

俺たちが 『少年記』だ!!!!!」

極点に達した時の、あの熱と想いは、きっと今も消えていないだろう。AREAのずっとずっと上の方で、雲になって、星になって、留まっているだろう。そんな頂点だった。

メンバーがステージ袖に入るとともに、すぐにアンコールの声が鳴り響く。大きな、大きなコールだった。お決まりの…ではなく、本当に「出てきてほしい、まだ歌ってほしい、演奏してほしい」という、「アンコール」として、大きな声が響き渡っていた。

ネイビーにピンクの『少年記』Tシャツを着たメンバーが現れる。Tシャツには、バンドコンセプトだけが鮮やかなまでのピンクでいっぱいに掲げられている。

DON'T FORGET THE EVANESCENCE OF OUR TUNE.

(俺たちの音楽の儚さを忘れるな)(つかの間の俺たちの音楽の最後の響きまでを忘れるな)

音楽は、時間とともにある芸術だ。

それは当たり前のことだけれど、忘れたくても忘れられない「今」だけが目の前にあった。

コウくんがメンバーに想いを話してもらおう…といって、eikiくん、Naoさん、アルくん、怜さんと順番に話していく。どのメンバーの言葉も胸に響いたが、大阪でも東京でも感極まっていたNaoさん、そして、やはり怜さんの先の言葉が響いていた。

怜さん「年齢や住んでいるところや、仕事や性別や国籍さえも関係なくて…ただ、同じものが(『少年記』が)好きだ!という気持ちだけで、これだけのパワーですよ…これからも、(僕たちを通して)知り合った縁は大切にしてほしいし、その縁のきっかけを作ることができたということは、バンド冥利に尽きるというか、とてもうれしいですね…一緒に夢を見てくれて、夢になってくれて、ありがとう」(⇒記憶で覚えている、大体の感じ)

コウくん「本当に、1671日…ずっと前だけを見て、やってきました。もともとNao以外は、関西出身なんですけど、僕が東京に先に出てきて、バンド活動を始めようとしていたんですけど、そのときに、怜ちゃんやeiki、そして、Naoと出会って(⇒少し内容ずれていたらすみません)…こんな複雑な生い立ちのバンドを、関東でも関西でも、本当にあたたかく迎え入れてくれて…今の事務所に拾ってもらってからは、関西に住んで、遠征で、東京と大阪を何度も往復しました。でも、一度もつらいと思ったことはなくて…『少年記』は関西でも関東でもないから応援しない…というような声は聴いたことがなくて、正直、動員数に悩んだ時期もありましたが、それでも、どこにいても、皆がかけつけてくれて、皆のおかげで、ステージで歌うことができました。皆を含めて『少年記』だと思っています。本当に、一緒にここまで歩んでくれてありがとうございます…!!!」(⇒記憶で覚えている、大体の感じ)

コウくん「せっかく、アンコールを頂いたので、もう少し歌わせて頂こうと思います。聴いて下さい。『離さない』」

アンコールの1曲めは、最後の限定シングル「離さない」(ヴィジュアルグラフティvol.4で配布)

あたたかな、しあわせな男女の想いを描いた曲。まるで、結婚前のあたたかなふたり。

誰かとの幸せ 願った時もあった

だけど今は 確かに言えるよ

お前とこの先も 歩いてゆくたい そう思うから

もう 離さない

楽曲として、シンプルにストレートに心に響く、とても秀逸なあたたかな曲だ。そして、アンコール2曲めに「bloom beautifully」。

東京では全員での合唱という感じにはせず、楽曲の勢いに任せて、お互いがお互いの笑顔を見つめ合い、瞳を見て語りかけあい、そして、コウくんの唄に合わせて、心に響かせる感じだった。この曲で終わりにするはずだったのが、とても、そうはならない流れが生まれていた。

コウくん「まだ帰りたくねぇよ…!!まだ『少年記』の曲を歌いたいよ!!!歌わせてくれるかい?最後のわがままを聞いてくれるかい?俺たちと一緒に歌ってくれるかい?」

本当に、感極まる感じで、お立ち台の上で、マイクを両手で握りしめて、マイクに魂をすべてこめるかのように、叫んでいた、あのコウくんの叫びを忘れない。「本当に、最後の曲だ!」

最後の最後に、もう一度、TOKYOという都会の真ん中に鳴り響くイントロが聴こえてくる。「ココロモンスター」のイントロだ。まさかの2回目だとしても、それだけ『少年記』というバンドにとって、大切な曲であり、この「最果て」に、「極点」に、鳴り響く音楽として選ばれたのだろう。

すべて歌い終わった後で、本当に、お立ち台の上で両膝をついて、泣き崩れていたコウくん。いつもの笑顔が、涙でうるんでいたeikiくんとNaoさん、そして、涙目の中にも、思い切りやり尽くした笑顔があふれていた怜さん。最後は、アルくん含め、メンバー全員が、もう一度、手を振ったり、抱き合ったり、深々とおじぎをして、ステージを後にしていた。

目の前に締まってしまった幕の向こうで、きっと涙がとまらないメンバーがいただろう。何度もアンコールを叫び続けるファンもいたし、叫び続けたかった。

黒字に白の『少年記』と掲げられた幕を忘れない。

『少年記』というバンドの華麗なまでの気高く美しい輝きを、

唄を声を音を、あふれる笑顔と最高のステージを、

そして、いっぱいに受け取った、あたたかな愛情を、

消えることのない、確かな温もりにあふれた、光を忘れない。

 Img_0132Img_0131

…心からの感謝をこめてheart02cloverconfident

 

「少年、極点へと向かう巡礼の旅、少女と交わした久遠の契り-東京-」セットリスト(コウくんのブログより)
-TIMELESS-
1.WEAKNESS_MY BLOOD
2.窃盗
3.Absolute World

-theme of SECRET KISS-
4.SECRET KISS
5.最果てのドール

-幻想と濃霧の街~秒針~-
6.時の色
7.IN THE SUNLIGHT
-theme of STARLIGHT SNOW~降りしきる雪の上で、あの星へ唄う~-
8.STARLIGHT SNOW

-tower of BABEL-
9.ガゼルバベル
10.YOUR LIES
11.LONELINENESS PRINCESS

-
12.BANG ME
13.ライカランナ
14.ココロモンスター

En.
1.離さない
-MC-
2.bloom beautifully

3.ココロモンスター

 

 

 

少年記ラストワンマン「少年、極点へと向かう巡礼の旅、少女と交わした久遠の契り-東京-」①

その瞬間、そのときが来るまで、何度の「今」を重ねただろう。

2016年3月28日高田馬場AREAの幕が開いた、その瞬間の“光”を覚えている。

まだ誰もいないステージにあふれていた光、誰もが「少年記」を待っていた光。

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歓声の中に、みなぎる気を全身に浴びながら、eikiくん、怜さん、Naoさん、サポートドラムのアルくんが順に現れる。ステージ中央で、その歓声に応えながら、それぞれの位置に着き、楽器に手をかける。そして、ストールを翻しながら、黒の手袋に、しっかりとマイクを握ったコウくが現れる。

コウくんの右手が斜め頭上に掲げられる。それだけで、知っている観客は、一曲目を察する。立ち込める靄のようなイントロから、次々と拳が天空へと屹立し、やがて、ヘドバンの波しぶきが上がる、赤い海へとなだれ込む。

「少年、極点へと向かう巡礼の旅、少女と交わした久遠の契り-東京-」
高田馬場AREA公演

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一曲目に選ばれたのは、最新シングル「WEAKNESS_MY BLOOD」。そこから「窃盗」を早い位置に持ってきて、さらに「Absolute World」へつなげるという…「少年記」の楽曲を知っている人には、まさに鉄壁のセットリスト。かつ、堂々とした、真っ向から”攻める”序盤だった。まるで、ここから、今この瞬間から「少年記」のすべてが始まるというかのような。

さらに、芳しいまでの「SECRET KISS」で、会場の熱を高め、想いを高めていく。

このひとつ前の大阪ワンマンでは、4曲めに「REVIVA」という、感極まるバラードを入れて来たのに対して、東京では、5曲めの「最果てのドール」まで、一瞬の隙もなく、観客のココロを鷲掴みにして、引っ張っていく流れ。(...まさにグィグィ♪という感じで)

「SECRET KISS」では、この日がバンドマンとして、最後のステージにする覚悟の怜さんのベースソロが披露される。中央でベースを弾く満面の笑顔の怜さんに、たくさんの手が差し延べられる。そして「最果てのドール」では、少年記ボーカル、コウくんの世界観が、余すところなく表現される。

個人的に「最果てのドール」は、本当に好きな曲で、この曲を聴いていると、特に、vo.コウくんの心の旅の軌跡が、手にとるようにリアルに伝わってくる。曲の世界は、あくまで曲の世界だが、歌い手の生き方がにじみ出ている。一体の『ドール』に導かれて、「分けられた自我」の中で、「僕」が「僕」に出会う旅を描いている曲だ。

繰り返し、繰り返し、毎日のようにこの曲を聴いているうちに、思ったことがある。

『少年記』というバンドが、実はひとつの『ドール』であり、たとえば、コウくんというヒトが、「少年記/ボーカル コウ」になる極点(=最果て)までを、導いていったのではないかと。

「1671日」という旅の中で、メンバーはそれぞれ、『少年記』という『ドール』に導かれて、極点(最果て)まで、「少年記/コウ、eiki、怜、Nao」になっていったのではないかと。

その旅が、「極点」へ達しようとしている。

終わりを迎えようとしている…という表現にはしなくない。「極点」へ向かい、達し、やがて、コウくんのブログの表現のように、天へ帰っていくのであろう。『少年記』というバンドを愛した人の心の中だけに、『少年記』は帰っていくのであろう。

群青の朝待ちわびて 

小さな祈り繰り返した 

最果てで眠り続ける 

僕にいつかまた会えるなら

秒針の音がする。

残酷なまでに確実に、時が流れ、時が移り…時が色を変えていく、音がする。

しかし、それは、あたたかな、「今」を彩る音だ。あたたかな、あたたかな体温のある「声」だ。あたたかな温もりのある、「まなざし」であり、「ほほえみ」だ。

時の色 褪せてゆくの 笑い合えた日々もほら 

愛した君の顔さえ 擦れて見えなくなった 

温もりと声の色と 巡る記憶の欠片が 

不確かな僕の鼓動を 支えている

最後の東京と大阪のワンマンで演奏された『TIMELESS』に入っている新曲「時の色」。実は、1stワンマンの最後に、活動休止になる前に演奏した曲だと聞いている。CDに入る曲としては、新曲だが、『少年記』の初期の頃から(廃盤になっている『Akasha』の時から)準備されていた曲だった。

今もここにいるだけで 君が隣にいるようで 

だけど 涙と想いを 預けて 歩き出すから 

震える手で 僕の背を 押してくれた 君を あぁ 

どんな時も 何よりも 愛したこと 

忘れないで...

時が経ち、顔や思い出を忘れてしまう悲しみではなく、ただ「愛したこと」を「忘れないで...」と歌う曲は、ただ“愛している”ということだけを伝えている。永遠に、TIMELESSに“愛している”と...だからこそ、あたたかい。

陽の光がいっぱいに満ちているような、あたたかさの中で「IN THE SUNLIGHT」が歌われる。この曲もまた、あたたかさの中にある、大切な想いを唄っている。帰らぬ人へのただひとつの想い。「生まれ変わっても あなたに会いたい」…それは、“愛している”ということ。

言葉も、情景も、全て残せたらいいのに 

響いて 掠れて 消えゆくの? 

見せたかった 景色と 

ずっと言えなかった言葉 

生まれ変わっても あなたに会いたい

続けて、コウくんの語りが入り、AREAいっぱいに、まるで雪が降り、その星空に舞い上がるように、「STARLIGHT SNOW」が唄い上げられる。この曲もまた、時の流れの中で、二度とは帰らぬ想いと人を歌っている。季節は巡る...それでも、その時は、その人は、決して戻ることはない。だからこそ、この歌が響く。響き続ける。この歌さえ、もう二度と聴けなかったとしても。

あぁ 仕草も 声も 涙も全て

僕の中で生きている

「冬の星空の下 雪が降り積もればいいな」

本当は笑顔が大好きだった

今でも信じてるよ きっと君は星になった

降り積もるよ STARLIGHT SNOW

(続く)

 

 

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